善了寺のお堂をストローベイルで作るお手伝いをしました。

戸塚駅から徒歩5分。お寺のお墓がある裏手から入ると、急に豊かな緑に囲まれた心地よい空間に包まれました。
丁寧に手入れされている畑、紫陽花や大きな楠などの緑に囲まれたお墓。
福岡出身の僕にはとても馴染み深い楠(福岡や熊本には楠が関東より断然多い、気がする)が、初夏の日差しを和らげてくれています。
前々から熱い視線を送っていた「ストローベイルハウス」を戸塚の浄土真宗善了寺のお堂で作るワークショップがある、という情報を偶然見つけて初めて訪れた浄土真宗善了寺は、人と植物が美しく豊かに共生していて、「清らかさ」と「新しいことが生まれているワクワクする感じ」のあるとても魅力的な場所でした。

ストローベイルハウス
ストローベイルハウスとは、ストロー=おもに麦の藁を機械でベイル=圧縮してできたブロックを壁面として積み上げて作る家のことです。海外の雨や地震の少ない地域で生まれたストローベイルハウスですが、日本の高温多湿、地震が多い土地でもきちんと計算すれば建築することができるということで、日本でも注目されています。
自然の素材を使うことで、自然と循環するストローベイルと土壁の組み合わせは、見た目にもなんだか「優しい」感じがして、とても好きです。ストローベイルハウスで暮らしたい。

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お墓を通り過ぎて左手に坂を下りていくと目の前にこんな素敵な建物が。

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聞思堂です。左側のベージュの部分にストローベイルハウスが使われています。目の当たりにするだけで、五感で心地よさ、親しみやすさを感じるような佇まいです。

こちらは内観です。天井が高く、室内の通りを良くするために付けられた天窓から優しい光が室内を包み込んでいます。

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木は栗駒、低温乾燥し木作酢につけられた杉、そして土壁。 天窓から優しい光が注ぎ込みます。30度近い暑い日でしたが、聞思堂の中はとても心地よい空間でした。

聞思堂と呼ばれるこの建物は、今回のお堂も設計されている大岩剛一さんの設計で、分厚い土壁の部分はストローベイルを使って建築されています。ストローベイルに興味があると話しかけると、とっても熱く楽しそうに「建物も大量生産の時代でしょう?私は大量生産しない、効率的じゃないけど心意気のある建築がしたいと思っているんだ」ということを話してくれました。
ワークショップ終了後にいただいた、聞思堂を建てたときのワークショップや、使用している素材のことを収めたDVDを見ると、関わっている全ての方々の仕事の丁寧さ、手間のかかり方に、頭が上がりません。日本は素晴らしい。

大岩剛一さん(右)…藁や土壁など、自然の材料を使った建築を全国で手がけています。自然に存在するものとの繋がりを大事にし、大量生産ではなく、ローカルで、環境との循環を大事にする「スローデザイン研究会」を主宰されています。 吉本宏明さん(左)…ストローベイルを生産、販売、設計施工まで、なんでもこなす「有機建築左吉」代表。ストローベイルについて伺ったら楽しそうにいろいろ教えてくれました。

今回のワークショップでお会いした方々は、とても重厚かつ気さくで、ついつい気軽に話しかけてしまう成田智信ご住職を始め、設計された大岩剛一さん、ストローベイルを生産、販売、設計施工まで、なんでもこなす有機建築左吉の吉本さん、左官職人で笑顔が素敵な古谷さんなど、みんな自分の仕事と真剣に向かい合い、とても楽しんでいる「かっこいい大人」ばかりでした。

どうやったらこんなにかっこよくなれるんだろう、と「かっこいい大人」を目の当たりにするといつも自分に問いかけます。

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一週間ほどの「ストローベイルお堂作り」のワークショップでしたが、私が参加した初日は30名を超える方々が参加していました。
作業の前に聞思堂のなかで、お寺やお経のが繋いできた数百年、藁や土など自然の素材達が繋いできた数千年、数億年、というこれまで繋がり、そしてこれからの繋がりに想いを馳せましょう、というご住職のお話の後お経をみんなで唱え、リーダーの紹介、諸注意の後で作業に移ります。

作業は土作り、土塗り、ストローベイル積み、積んだものを縛るなど多岐にわたり、将来自分で家を作ってみたいと思っている私にはどれも最高に楽しい経験でした。

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ベイルを積む前に、1センチほど土を塗ります。
ベイルを積む前に、1センチほど土を塗ります。
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これがストローベイル。 富山からやってきました。サイズは結構あるけどとても軽く一人で持ち運べる。
これがストローベイル。
富山からやってきました。サイズは結構あるけどとても軽く一人で持ち運べる。
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最終的に4段まで積みました。動かないようにしっかり固定されたベイルはすっかり壁の顔をしています。
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土壁は手で。外壁は上から木を貼り付けて外壁になり、土の部分は見えないけれど、コテで綺麗に仕上げていました。
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みんなええ顔。
左が左官職人の古谷さん。こうやって和気あいあいと作業ができることが楽しいし、みじかなものを使ってお堂を作ることをとても快く思っている、とのこと。みんなええ顔。
お昼は初日はお外でカレー、二日目は聞思堂でちらし寿司でした。素敵な光景。
お昼は初日はお外でカレー、二日目は聞思堂でちらし寿司でした。素敵な光景。

ご住職自ら土作りのために土を踏んでいるときに「土作りの無心さとお経を唱えているときは似ていますか?」
と聞いてみたら
「土作りの時は仏様が上から見てる。お経の時は仏様が降りていらっしゃている。」と楽しそうに土を踏みながら答えていただいたことがとても記憶に残っています。
今思い出してもなんだかとても素敵な言葉です。

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昔から植物や自然が好きで、自然と人がもっとうまく一緒に暮らしていけたらいいなあと思っていました。
2011年に起こった震災以降、よりその気持ちが強くなり、「そうなりたいなあ」ではなく「その未来を作ろう、作るにはどうしたらいいんだろう」という風に考え方がシフトしたように思います。
今回の「ストローベイルお堂作り」という経験は、自分で家を作るという目的を現実に近づけてくれました。
人生はどうなるかわからないけど、やってみようと思ったことをやってみることが、より自分の人生を自分の責任で開いていくことにつながり、作りたい未来に繋がっていくのではないかなあ、と思います。

本当に素敵な体験でした。これからも少しずつ、この素敵なお寺と関わっていこうとおもいます。

About the author: taishi yoshida

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